― ぶどう栽培で失敗がなくならない本当の話 ―
はじめに
多くの農家がこう思っています。
「防除歴どおりやっているのに、なぜ病気が出るのか?」
私自身も、ずっとそう思ってきました。
しかし長年ぶどうを作ってきて、
一つはっきりしたことがあります。
防除歴は、病気をゼロにする表ではない
という現実です。
防除歴は「平均値」でしかない
JAの防除歴は、
- 平年の天候
- 平均的な樹勢
- 一般的な園地
を想定して作られています。
しかし実際の畑は、
- 雨が多い年
- 湿度が高い年
- 風通しが悪い場所
- 樹が弱っている区画
など、毎年条件が違います。
防除歴はあなたの畑に最適化されていません。
病気は開花期にほぼ決まる
ぶどうの多くの病気は、
開花期に感染し、
収穫直前に発病する
という性質があります。
晩腐病や黒とう病も、
見えてくるのは後ですが、
入り口はほぼ花の時期です。
散布間隔よりも「雨」がすべてを決める
防除歴では、
7〜10日間隔で散布が組まれています。
しかし実際には、
雨が降るかどうか
の方が、
はるかに重要です。
雨が降る前に当てられていないと、
その時点で感染のチャンスが生まれます。
だから現場では、
雨が来るなら、
散布間隔を壊してでも雨前に散布する
という判断が必要になります。
農薬は「当たったところ」しか守れない
農薬は魔法ではありません。
当たったところにしか効かない
という、
とても単純な道具です。
風があった、
ノズルが合っていない、
房の裏に届いていない。
それだけで、防除歴どおりでも
病気は出ます。
正直なところ、病気の理由は完全にはわからない
ここで大事なことを言います。
なぜ病気が出るのかを、
完全に説明できる人はいません。
私自身も、
今も手探りでぶどうと向き合っています。
特効薬のようなものもありません。
それでも一つだけ言えること
それでも、
長年の経験から
一つだけはっきり言えることがあります。
ぶどうの病気は、
開花期に濡らさないことがすべての出発点
どんな薬剤を使っても、
開花期に雨に打たれ、
湿度が高い状態が続けば、
病原菌は必ず入り込みます。
まとめ
防除歴どおりでも病気が出るのは、
- 天候が違う
- 開花期に濡れる
- 雨で流れる
- 当たっていない
この積み重ねです。
防除歴は
スタートラインであって、正解ではありません。

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