― ぶどうは“産地の共選所”まで含めて考える ―
はじめに
農業を始めるとき、
作物や技術の話はよく出てきます。
- 何を作るか
- どうやって作るか
でも、実際に就農してみて、
一番重要だと感じたのは、
場所でした。
もっと正確に言うと、
どの仕組みの中で作るかです。
結論:ぶどうは「産地+共選所」で始めるのが現実的
結論から書きます。
ぶどうで就農するなら、
ぶどうの産地で、
農協(JA)が運営する共選所がある地域。
これが、
一番事故りにくい選択だと思っています。
理由はシンプルで、
最低限の出口戦略が最初から用意されている
からです。
共選所とは「農協出荷の仕組みそのもの」
まず、ここは整理しておきます。
共選所は、
農協とは別の出荷ルートではありません。
共選所=農協出荷を成り立たせる仕組み
です。
- 選果
- 規格分け
- 出荷
これを、
農協がまとめて行う場所が
共選所です。
共選所があるということは、
「作ったぶどうを出せばいい場所」が
最初からある、という意味になります。
就農直後は「売る力」がほぼゼロ
就農したばかりの頃は、
- 名前も知られていない
- 実績もない
- 固定客もいない
ほぼ、
売る力はゼロです。
この状態で、
- 個人売り
- 直販
- マルシェ
をメインにすると、
生活が成り立つまで
かなり時間がかかります。
個人売りは、時間がかかる
個人売りは、
- 単価が高い
- やりがいがある
一方で、
- 名前が売れるまで売上が伸びない
- 年によるブレが大きい
- 初年度から生活費を稼ぐのは難しい
という現実があります。
生活できるレベルになるまで、
数年かかることも普通です。
共選所があれば「現金化」はできる
共選所がある産地では、
- 品質にばらつきがあっても
- 技術が発展途上でも
農協出荷として現金化はできる
という安心感があります。
これは、
就農初期にはかなり大きいです。
ただし、共選所なら「どこでも同じ単価」ではない
ここは誤解されやすい点ですが、
とても重要です。
例えば桃ですが、
同じ品種でも、共選所によって単価は違います。
理由の一つが、
出荷量です。
出荷量が単価に影響する
- 出荷量が多い共選所
- 市場での存在感がある
- 継続してまとまった数量を出せる
こうした共選所は、
市場との力関係が強くなります。
結果として、
- 同じ品種
- 同じ規格
でも、
共選所によって単価差が出る
ということが起こります。
産地で就農すれば安泰、ではない
産地で就農することは、
- どこでも高値がつく
- 出せば必ず有利
という意味ではありません。
あくまで、
売れない・出せない
という致命的な失敗を避けやすい
という話です。
就農前に見るべきは「作物」より「共選所の中身」
就農を考えるなら、
- 何を作るか
より前に、 - どの共選所に出すのか
を見る。
- 主力品目
- 出荷量
- 規模感
ここを見るだけで、
その地域の現実は
かなり見えてきます。
直販やブランドは「後から」でいい
直販やブランド作りは、
- 技術が身についてから
- 生活が回り始めてから
でも、十分に間に合います。
最初から、
- 作る
- 売る
- 発信する
全部を同時にやろうとすると、
どこかで無理が出ます。
まとめ:就農は「場所+仕組み」で決まる
- ぶどうは産地で始める
- 共選所=農協出荷の仕組み
- 共選所ごとに単価差はある
- それでも出口があるのは大きい
農業は、
始めてから頑張るより、
始める前の選択が重要です。
作物を見る前に、
どの仕組みの中で作るのか。
そこまで含めて考えると、
就農後のギャップは
かなり減らせると思っています。
このブログのスタンス
このブログでは、
- 夢を煽りません
- 成功例だけを書きません
生活として農業が回るかどうか。
その視点で、
現場の判断を書いています。
これから就農を考えている人にとって、
一つの現実的な材料になれば十分です。

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