小規模ぶどう農家が栽培する品種の最適解は何か

― 一人農業で「回る規模」を数字から考えてみた ―

はじめに

私は現在、
ぶどうを多品種で栽培しています。

品種が多いと、
経験としては面白いですが、
一人でやるには正直きつい場面も増えます。

作業効率、収穫、出荷、体力。
すべてを考えると、
一人農業では品種も規模も絞った方がいい
そう感じるようになりました。

そこで今回は、
もし私が今から一からやり直すなら、
どんな品種構成・規模にするかを
数字と実体験ベースで整理してみます。


結論:一人農業は「少数精鋭+回る規模」が最適

結論から言うと、
小規模・一人農業では、

  • 品種を絞る
  • 作業ピークを分散する
  • 売上を最大化しすぎない

この3点が重要だと感じています。

「儲かるか」より、
「一人で回り続けるか」
ここを優先した方が、結果的に長続きします。


私が一からやるなら、この品種構成

今から一からやるとしたら、
私は次の構成を選びます。

  • 食べる用ぶどう:5反
    • 巨峰 2.5反
    • シャインマスカット 2.5反
  • ワイン用ぶどう:5反
  • 出荷は農協出荷メイン

一人で管理・収穫・出荷まで考えると、
このあたりが現実的な上限だと感じています。


ワイン用ぶどうを5反入れる理由(数字ベース)

ワイン用ぶどうは、
作業負担が比較的読みやすい作物です。

数字で見ると、

  • 5反で収量:約10トン
  • 単価:キロ200円
  • 売上:約200万円

単価は高くありませんが、

  • 規格が揃っている
  • 出荷先が安定している
  • 精神的なプレッシャーが少ない

一人農業では、
この「安定枠」を入れる意味は大きい
と感じています。


巨峰を2.5反にする理由(安定枠)

巨峰は、

  • 市場価格が比較的安定している
  • 底値がそこまで落ちない

という印象があります。

実際の数字は、

  • 2.5反で収量:約2.5トン
  • 単価:キロ1,000円〜900円
  • 売上:約225万円前後

派手さはありませんが、
農協出荷メインで考えると、
読みやすい品種です。


シャインマスカットを2.5反にする理由(強さがある)

シャインマスカットは、

  • 供給過多に向かっている
  • 今後、値崩れの可能性はある

これは事実だと思います。

それでも私が外さない理由は、

  • ブランド力がある
  • 味の評価が高い
  • 皮ごと食べられる
  • 直販にも回しやすい

数字で見ると、

  • 2.5反で収量:約2.5トン
  • 単価:キロ1,200円〜1,100円
  • 売上:約287万円前後

仮に単価が下がっても、
売り先を切り替えやすい
この強さは無視できません。


作業量から逆算すると、この規模が限界だと感じている

私の栽培では、

  • 一房500g狙い
  • 一反あたり2,000房

教科書的には
2,500〜3,000房と言われますが、
無理をしない前提でこの数字にしています。

この場合、

  • 食べる用5反 → 約1万房

になります。


ボトルネックは摘粒。ここが現実ライン

ぶどう栽培で一番きつい作業は、
やはり摘粒です。

去年の実績では、

  • 約1,800房を
  • 2日くらいのペース

で作業していました。

これを単純に当てはめると、

  • 1万房 ≒ 10〜12日分の摘粒作業

一人でやるなら、
このあたりが体力・集中力的にも限界
だと感じています。

作業量の数字は「自分基準」に置き換えて考えてほしい

この記事の中で、
私は摘粒作業について
「1日900房前後」という数字を出しました。

ただし、
これはあくまで私自身の実績ベースです。

誰でも同じようにできる、
という意味ではありません。


作業スピードは、人によって大きく違う

摘粒のスピードは、

  • 体力
  • 年齢
  • 経験年数
  • 作業姿勢
  • 集中力

これらで大きく変わります。

「自分は1日900房もできない」
そう感じた人もいると思います。

それで問題ありません。


500房が限度なら、500房を基準にすればいい

もし、

  • 1日500房が限度
  • それ以上やると体がきつい

そう感じるなら、
500房を自分の基準にすればいいと思っています。

重要なのは、

  • 他人と比べること
  • 教科書通りに合わせること

ではなく、

自分が無理なく続けられる上限を知ることです。


数字は「設計」のための材料

この記事で出している数字は、

  • 自慢
  • 目標
  • ノルマ

ではありません。

あくまで、

  • 作業量を見積もるため
  • 規模を決めるため
  • 無理をしないため

設計用の材料です。


回るかどうかは「速さ」ではなく「継続」

一人農業では、

  • 速さ
  • 根性

よりも、

継続できるかどうかが一番大事です。

速くても、
途中で体を壊してしまえば意味がありません。

副業スキーム(社保加入)なら、500万狙いで十分かもしれない

今回の構成を合計すると、

  • ワイン用ぶどう:約200万円
  • 巨峰:約225万円
  • シャインマスカット:約287万円

合計で、
約700万円規模になります。

ただし、
私は副業スキーム前提で考えています。

そう考えると、

  • 500万円前後を狙う
  • あえて規模を少し落とす
  • 体力と時間を残す

この判断も、
十分アリだと思っています。


まとめ:最適解は「最大化」ではなく「継続」

小規模ぶどう農家の最適解は、

  • 高単価品種を詰め込むことでも
  • 多品種で広げることでもなく

一人で回り続けられる規模に収めること
だと感じています。

数字で見ると、
その境界線がはっきり見えてきます。


このブログのスタンス

このブログでは、
「どこまで増やせるか」はあまり書きません。

  • どこで止めるか
  • どこを削るか
  • どうやって続けるか

その判断を書きます。

品種選びも、
作業量も、
売上目標も、
自分を守るための設計だと思っています。

同じように
一人で、あるいは副業で
ぶどう栽培を考えている人の
判断材料になればと思い、
この記事を書きました。


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