― 農家・個人事業主が「使い忘れやすい控除」を中心に ―
はじめに(立ち位置の明示)
この記事は、
現役農家として確定申告を続けてきた経験と、制度上の一般ルールをもとに整理しています。
税理士ではないため、
・最終判断は税務署
・グレーな使い方は推奨しません
という前提で、「事故らない範囲」の控除をまとめます。
結論|控除は「知っているかどうか」で差がつく
確定申告の控除は、
- 節税テクニックではなく
- 制度として最初から用意されているもの
です。
使えるのに使わない=単なる取りこぼしなので、
まずは「自分が対象かどうか」を一通り確認することが大切です。
所得控除(ほぼ全員が確認すべき)
① 基礎控除
概要
- ほぼ全員が対象
- 合計所得金額に応じて控除額が変わる
控除額(目安)
- 合計所得2,400万円以下:48万円
(※農家でここを超える人は少数)
手続き
- 申告書に自動反映(特別な書類不要)
② 配偶者控除・配偶者特別控除
対象
- 配偶者がいる人
ポイント
- 配偶者の所得が
- 48万円以下 → 配偶者控除
- 48万円超〜133万円以下 → 配偶者特別控除
必要書類
- 配偶者の所得が分かるもの(給与明細・源泉徴収票など)
③ 扶養控除
対象
- 16歳以上の扶養親族がいる場合
農家で多いケース
- 同居の親
- 子ども(学生)
注意点
- 扶養される側の所得が48万円以下であること
必要書類
- マイナンバー
- 所得が少ないことが分かる資料(提出は不要だが根拠として)
④ 社会保険料控除(かなり重要)
対象
- 国民年金
- 国民健康保険
- 付加年金
- 国民年金基金 など
控除額
- 支払った全額
必要書類
- 年金:控除証明書(ハガキ)
- 国保:支払額が分かるもの(口座引落なら通帳履歴)
※家族分を自分が払っていれば、自分の控除にできます。
⑤ 小規模企業共済等掛金控除(農家は最重要)
対象
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ共済(倒産防止共済)
控除額
- 掛金の全額
特徴
- 節税効果が非常に大きい
- ただし「将来の受け取り時に課税」される点は要注意
必要書類
- 掛金払込証明書(毎年届く)
⑥ 生命保険料控除
対象
- 生命保険
- 介護医療保険
- 個人年金保険
控除額
- 最大12万円(3区分合計)
農家目線の注意
- 掛けすぎても控除は頭打ち
- 「保険で節税」は効率が悪い場合も多い
必要書類
- 保険会社からの控除証明書
⑦ 地震保険料控除
対象
- 地震保険に加入している場合
控除額
- 最大5万円
必要書類
- 保険料控除証明書
⑧ 医療費控除
対象
- 年間医療費が
- 10万円超
- または所得の5%超
含められるもの
- 病院代
- 薬代
- 通院交通費
- 家族分(生計を一にしていればOK)
必要書類
- 医療費控除の明細書
(※領収書の提出は不要だが5年保管)
⑨ セルフメディケーション税制(医療費控除の代替)
対象
- 特定の市販薬を年間12,000円以上購入
注意点
- 医療費控除と併用不可
- 健康診断などを受けていることが条件
必要書類
- 対象薬のレシート
- 健康診断等の証明
青色申告特別控除(事業者向け)
⑩ 青色申告特別控除
控除額
- 最大65万円
- e-Tax+複式簿記が条件
農家の場合
- 「らくらく青色申告農業版」などで対応可能
必要書類
- 青色申告決算書
- 仕訳帳など(提出は不要だが保存)
その他(該当者のみ)
- 寄附金控除(ふるさと納税など)
- 障害者控除
- 寡婦控除・ひとり親控除
- 雑損控除(災害・盗難など)
実体験|「控除を理解してから、やらなくなったこと」
私自身、
- 保険で節税しようとした
- よく分からない制度に飛びついた
時期がありました。
結果として、
説明できない控除・商品は使わない
というスタンスに落ち着いています。
控除は「得するため」より
将来の選択肢を狭めないために使うものだと感じています。
学び|節税は「攻め」より「取りこぼさない」
- 新しいテクニックを探す前に
- 既に用意されている控除を全部確認する
これだけで、税額はかなり変わります。
まとめ|確定申告は“確認作業”と割り切る
確定申告は、
- 上手くやる競争ではなく
- 制度を正しく使ったかの確認
だと思っています。
まずは
👉「自分はどの控除に該当するか」
👉「証明書は揃っているか」
ここを一つずつ潰すだけで十分です。

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