はじめに|剪定に“唯一の正解”はない
巨峰の冬剪定というと、
「どの枝を残すのが正解か」
「この形で合っているのか」
と悩みがちです。
私自身、就農したばかりの頃は
剪定=正解探し
だと思っていました。
ですが年数を重ねるほど、
はっきりしてきたことがあります。
剪定に、誰にでも当てはまる正解はない
剪定の目的を間違えないことが一番大事
剪定というと、
- 樹形をきれいに整える
- 教科書どおりの形に近づける
ことが目的になりがちです。
しかし、果樹栽培で一番大事なのはそこではありません。
剪定の目的は、樹を作ることではなく
良質な実を取ること
これが剪定の本質だと考えています。
ビフォー|剪定前の状態から考える

剪定前の状態は、
太い枝がやや目立ち、樹勢は強め。
樹形自体は大きく崩れておらず、全体としては悪くありません。
ただ、枝の勢いがある分、
切りすぎると樹を余計に刺激してしまう可能性もあります。
この時点では、
「形を整える剪定」よりも
樹勢をどうコントロールするかを重視しました。
アフター|切りすぎないという判断

今剪定後は、
残す枝はあえて芽数を多めに残す判断をしました。
樹勢が強い場合、
芽数を絞りすぎると新梢が暴れやすく、
結果として実づくりにマイナスになることがあります。
今回は、
芽数を残すことで樹の勢いを分散させ、
実に回るバランスを優先しています。
切りすぎると、樹勢が余計に強くなってしまう
と感じているからです。
正解を求めすぎると「切りすぎる」
剪定でよくある失敗が、
正解を求めすぎて切りすぎること
切るほどに、
- 作業した感
- うまくやった感
は出ます。
ですが樹にとっては、
- 余計なエネルギー消費
- 新梢ばかり伸びる
- 実が安定しない
という結果につながりやすくなります。
剪定は毎年同じである必要はない
剪定は、
- 樹勢
- その年の天候
- 作業できる時間
- 自分の体調
すべて条件が違います。
だから、
毎年同じ剪定をする必要はありません
その年、その樹、その人に合った
最適解を選ぶ作業だと思っています。
剪定と体の話|現役期間を延ばすために
剪定は毎年必ず行う作業です。
だからこそ、無理を重ねると体が先に壊れます。
普通の剪定バサミで作業を続けると、
- 手首
- 指
- 肘
に負担がかかり、腱鞘炎の原因にもなります。
電動剪定バサミを使っているのも、
作業効率より 長く農業を続けるための選択 です。
私はこれを
健康貯金の一部だと考えています。

まとめ|今回の剪定で大切にしたこと
今回の巨峰の剪定で一番伝えたいことは、これです。
剪定のコツは、正解を求めすぎないこと。
剪定は樹を作る作業ではなく、
良質な実を取るための判断。
形にとらわれすぎず、
樹と向き合いながら、その年の最適解を選ぶ。
それが、結果として
安定した実づくりにつながると感じています。
このブログのスタンス
このブログでは、
- 教科書どおりの正解
- 誰でも当てはまる万能論
ではなく、
現場での判断と考え方
を記録していきます。
農業は正解探しではなく、
毎年の選択の積み重ねだと思っています。

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