― 国保と社保の“現実的な差” ―
はじめに
農業でいちばん怖いのは、
天候でも価格でもありません。
自分が働けなくなること
病気やケガで止まった瞬間、
収入はゼロ、経費だけが出ていきます。
このリスクにどう備えるかで、
経営の“強さ”が決まります。
前提(実際の数字)
ここでは、私自身の条件を使って比較します。
- 農業の課税所得:300万円
- 単身・65歳未満
- 副業の給与:140万円(社会保険に加入)
※市町村名は伏せていますが、
国保は全国的に似た水準のため、結論はほぼ変わりません。
① 国民健康保険+国民年金の場合
課税所得300万円の単身世帯だと、
多くの自治体で国保はだいたい
年間 約38〜40万円
が一つの目安になります(健康保険分)。
さらに国民年金が
年間 約20万円
かかります。
合計(自己負担)
約58〜60万円/年
しかも国保には
傷病手当金がありません。
働けなくなると給付はゼロです。
② 副業で社会保険に入った場合(給与140万円)
会社の社会保険(健康保険+厚生年金)の本人負担は、
おおむね 給与の約14〜15%。
- 140万円 × 15% ≒ 約21万円/年
※会社が**同額(約21万円)**を別途負担してくれます。
しかも社保には、
傷病手当金(最長1年6か月・給与の約3分の2)
が付いています。
③ 年間の差はどれくらい?
| 区分 | 年間自己負担 |
|---|---|
| 国保+国民年金 | 約58〜60万円 |
| 社保(給与140万円) | 約21万円 |
差:年間 約37〜39万円
同じ人、同じ農業所得でも、
“働き方”を変えるだけで40万円近く違うのが現実です。
しかも「質」がまったく違う
| 項目 | 国保 | 社保 |
|---|---|---|
| 働けない時 | 無収入 | 傷病手当金あり |
| 医療費 | 自己負担が重い | 会社が一部負担 |
| 年金 | 国民年金のみ | 厚生年金が上乗せ |
| 事業の安定性 | 体調に左右される | 体調リスクを切れる |
副業で社保に入ることは、
単なる節約ではなく、
農業経営の“保険”を格上げする行為
です。
新規就農者ほど、この差が効く
就農初期は、
- 収量が安定しない
- 設備投資でお金が出ていく
- 生活に余裕がない
この状態で体調を崩すと、
一発で詰みます。
だから、
農業+社保に入れる副業
は、就農初期ほど強力な戦略になります。
まとめ
課税所得300万円の農家が
- 国保+国民年金 → 約60万円
- 副業で社保 → 約21万円
この差は、
毎年40万円近く積み上がります。
しかも社保には、
傷病手当金と厚生年金が付く。
農業で生き残るために必要なのは、
腕だけでなく“制度の使い方”です。

コメント