― 消毒間隔と袋掛け後の致命的ミス ―
はじめに
私はピオーネ栽培で、
晩腐病により約2000房を全滅させた経験があります。
ピオーネ1房500g × 2000房 = 1,000kg(1トン)
仮に1kg 800円で出荷できていれば、
80万円の売上が一瞬で消えた
計算になります。
この失敗は
「運が悪かった」のではありません。
はっきりとした原因がありました。
晩腐病は「開花期」に決まる
晩腐病は、実が大きくなってから出る病気に見えますが、
感染のピークは花の開花時期です。
この時期に胞子が花に付着し、
そのまま袋の中で潜伏し、
収穫前に一気に発病します。
つまり
開花期を守れなかった時点で、
その年の勝負はほぼ決まる
という病気です。
私がやらかした1つ目のミス
消毒間隔を10日で回してしまった
基本の防除暦では
ぶどうの消毒は10日間隔が多いです。
しかし開花期だけは別です。
この時期は
- 湿度が高い
- 雨が多い
- 花弁が病原菌の温床になる
ため、
5〜7日間隔に縮める必要があります。
私はここを
「いつもどおり10日」
で回してしまいました。
結果、
一番大事なタイミングで無防備な日が生まれ、
そこに晩腐病が入り込みました。
私がやらかした2つ目のミス
袋掛け後に傘かけをしなかった
袋掛けをすると、
多くの人がこう思います。
「これで病気は防げる」
しかしこれは大きな誤解です。
袋の中は
- 湿度が高い
- 乾きにくい
- 雨が当たると蒸れる
晩腐病にとって最高の環境になります。
本来は
袋掛け → 傘かけ(雨除け)
までやって、
袋の中を濡らさないことが重要です。
私はこれをやりませんでした。
なぜ2000房も全滅したのか
この2つのミスが重なりました。
| ミス | 結果 |
|---|---|
| 開花期の散布が10日 | 花に感染 |
| 袋後に傘なし | 袋内で菌が増殖 |
つまり
感染した状態で密閉培養してしまった
のと同じです。
だから1房、2房ではなく、
2000房すべてが一斉に腐ったのです。
晩腐病を本当に防ぐポイント
私の失敗から言えることはこれです。
- 開花期だけは5〜7日間隔で消毒
- 袋掛け後は必ず雨を切る
- 防除暦を「木の状態」に合わせる
これを守るだけで、
晩腐病のリスクは劇的に下がります。
この失敗で学んだこと
晩腐病は
「農薬を何を使ったか」
より
「いつ使ったか」
の病気です。
高い薬を使っても
タイミングを外せば意味がありません。

コメント